11時から高校野球準決勝が始まるので、朝のうちに最近発見された韮崎市の逆断層を見に行くことにした。発見場所を市役所に尋ねたが、報道した山梨日日新聞に聞いてくださいとつれない。探す時間を覚悟して早めに出かけたのだ。先に訪ねたのは、同市内円野(まるの)町で昭和16年に発見された円井(つぶらい)逆断層。
こちらは看板がでていたのですぐに現場に着けた。ただ、汲沢左岸の現場は発見されてから70年以上経っているので、断層破砕帯部分が分からずじまい。看板によると、2,3万年前の新しい地層に、1500万年前の古い地層が「押しかぶった」逆断層が見られた、ということだ。
次は隣の折居にある新発見場所に向かう。釜無川支流ということだが、まったくわからない。歩いているおじさんに尋ねると、すぐに教えていただいた。高川南沢川という支流を県道から西に向かったところだった。行きは通り過ぎたが、戻る時左岸の白い地層が眼を引いた。
河原に下りてみると、北杜市北部から韮崎市南部にかけて縦断する釜無川断層帯で露出した断層破砕帯が鮮やかに見えた。左側の灰白部分が古い地層。右側の礫層?が新しい地層らしい。先にみた円井の逆断層と関係があるのかどうかはわからない。ただ、この釜無川断層は地震を引き起こす活断層だという。この隆起をみると、過去に地震が起きたことは間違いない。
私が住む北杜市白州はもともとフォッサマグナ上にある。釜無川活断層もこの上にある。知る限り現在まで大きな地震は起きていないし、富士山が噴火しても風はこちらに吹かない。比較的安全な地域だが、活断層はいつ直下型地震がおきるかわからない。この逆断層の発見が、災害予防に役立ってほしいものだ。