白州の杜からブログ

本とコーヒーと犬との生活

2015年08月

   3年前増築した屋根はガリバニウム。寝ていると、西隣の敷地にあるヤマグリの実がこの屋根に落ちる。それが大きい音なのだ。私だけでなく、外のハウスで寝ているジャッキーが驚いて四肢を震わせ、板壁を打つくらいだ。デッキやフェンス沿いには、はじけていないイガが随分落ちている。秋が来ている。

 そのヤマグリだが、わが家の敷地には勝手にたくさん育っている。東側デッキ側のヤマグリもその1本。もう3m位に伸びた。こうして伸びても、3年経っても実はならなかった。だが、朝見回りで、3個プラス1個がついているのが見えた。落ちずにはじけても実は小さいので食べないが、実るだけでなんとなく嬉しい。
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 今、食べられるものと言えば、元畑のきゅうり。だがサルに引っ張られてだいぶ枯れて来た。もう数本で終了だろう。今朝1本見つけたので収穫した。他には、ミョウガの季節。北庭に作った秘密基地の近くに3年前からなぜか増え出した。だが実はそのまま。私は料理に使ったことがない。昨年と同じで採ることなく過ぎていく。
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 採らないと言えば、下のキクイモ。昨年きれいに抜いたつもりだったが、やはり北庭で何本も伸びていた。2本は2m近い。今から抜いてもいいが、もう少しで黄色い花が咲くだろう。それまで待つことにする。根をサルが掘りに来ても結構。ここはあまり手入れをしていないところ。欲しかったら掘ってご覧、サル君。
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  サルと言えば、以前、きゅうりを取りにきたときだと思う。北庭の斜面に生えるウドをなぜか折っていた。シカが踏み倒した可能性もある。1か月前のことだ。私はきれいに切ってやった。またでてくるだろうと思った。
その通り、鮮やかに芽吹いておおきくなった。植物は植物で、生命力豊かなのだ。
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  生命力豊かなウドは春先に食べるが、今食べるのは、焼いた食パン。朝食に欠かせないが、今朝、例によって昨夜セットするのを忘れたことに気付いた。仕方がないので、焼きうどんにした。寒くて冷やしうどんどころではない。豚肉、キャベツ、ピーマンを刻んで入れたので結構いけた。さあ、今夜は食パンのセットを忘れないにしよう。

   昨夜から激しい雨になっている。午前中のテニスは中止。連絡網は流さなくていいだろうと思っていた。PCを開けると、長坂に住む部員の方から「長坂は雨だが、今日は練習あるの」とあった。あわてて、中止の報を流した。天候は局地的に違う。全県的に雨と分かっていても、早めに連絡しなければ、と思う。

 というわけで朝から時間が空き、読みかけの本を読んでしまった。『約束の森』(沢木冬吾著 角川書店 2014)である。聖書にでてくる『約束の地』は外国人だけでなく、わが白州に住む樋口明雄氏など多くの作家がタイトルにしている。が、『約束の森』というのはあまり目にしていないと思う。
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 元刑事の奥野侑也が主人公だが、マクナイトというドーベルマンが凄い。賢くて警察犬だけでなく警備犬にもなれると期待されていたが、試験に落ちた過去を持つ。今は、北の森のリゾート地で飼われていた。そこで、秘密任務を引き受けた主人公と出会う。

  彼は、元ハンドラーも経験しておりアルファという警察犬を担当していたことがある。森に面した海岸でマクナイトの訓練を初歩から始めた。犬の過去をしらない彼は、最終訓練の「襲撃」ができないことを知る。銃をもった犯人に飛びかかり、それを奪ってくる優秀な警察犬なのだが、なぜか、犯人を制圧する「襲撃」訓練になると失敗するのだ。

  それは、後になってあまりにマクナイトが賢すぎるゆえとわかる。訓練だから犯人役は、本気ではない。それをマクナイトは察知して、彼も本気になることができないのだった。凄すぎるマクナイト。ただこの「しつけ」を含む訓練で、おやつをエサにした描写がない。

 ドーベルマンは賢いから、ごほうびとしてのおやつをもらわなくても、ただしく行動できるのだろうか。それとも、過去警察訓練を受けているので、主人公の声の命令だけで、行動できたのだろうか。どっちにしてもドーベルマンは凄いことに変わりはないが。オウムと仲良しになるのも和む。『約束の森』はドーベルマンが活躍する作品として記憶に残るだろう。

   ジャッキーどうした、元気がないゾ。テリア系の雑種であるジャッキーはドーベルマンと違うし、飼い主が全然違う。あっちはハードボイルド精神を持つ縄使いの名手。心配しなくていいんだよ、これからもだらだらと一緒に暮らして行こうナ。マクナイトは夢だよ、憧れだよ。あははっ。
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 『約束の森』は先週火曜日、韮崎市立図書館でほかの4冊とともに借りた。このうち『素行調査官ー漏洩』(笹本稜平著 光文社 2012)はすぐに読んだ本だとわかったが、面白いのでもういちど読んだ。だが園長兼私立探偵・花咲慎一郎シリーズの『ドント・ストップ・ザ・ダンス』(柴田よしき著 実業の日本社 2009)は、300ページを超えたところで、読んでると気づく始末だった。これも最後まで読んだが、今のところ既借率は
五分のニ、つまり4割。うーん、なんとかしなければ・・。

 山梨県が「山梨百名山手帳」を発行した、とローカルニュースで知った。先週金曜日、ゴミ出しの日に支所に寄った。ここには無く本庁から取り寄せると、私の名前と電話番号を聞かれた。今週、連絡を待っていたが昨日のゴミ出しついでに寄った。手帳は来ていた。連絡がなかっただけだった。
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  手帳は、山梨百名山を体力と難度で5段階に分けて紹介していた。どんなコースかわかると良かったのだが、手帳では無理だった。今秋も関西4人組がやってくるので、どこを歩くか(登るかではない)コース選択の資料としたい。この手帳、本庁しか置かないということは数が少ないか、人気があるのだろうな。

  人気と言えば、わが北杜市の「プレミアムつき商品券」2種類がまだ売れ残っていることがわかった。支所の帰りエブリに寄ったが、また新しいチラシを見たのだ。よほど人気がなかったのだろう。なぜなのか。
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 今度は、明日から3日間の販売。基本セット(1万円。2千円分プレミアム)は一人10セットまでOKとなった。4千円お得の子育て支援セットも
5セット買えることになった。よほど売れ残ったのだろう。基本セットは市外、県外でも購入できる。欲しいのは子育て支援セットだが、さすがに条件がある。私は購入することができない。

  売れ残ったのは、ひとつ販売場所が問題なのだろう。長坂の商工会本所と須玉明野会館の2か所。長坂の場合、私は図書館を利用するので場所はわかる。須玉の場合は、支所の前ということだが馴染みがない。わからないと探してまで買いに行くのは面倒になるのではないだろうか。有効期間が来年1月15日までなので、使いやすいのだが・・。

 これまた昨日のニュースで知ったのだが、旅行業界にも交付金は回っているらしい。半額というお得な「プレミアムつき旅行券」が発行されている。山梨県内にあるホテルなどで、冬だけ使える「宿泊券」が昨日から発売された、という。購入は、旅行代理店だから買いやすい。

  もっとも買うのは山梨以外の人たちだろう。ここに住んでいるのに、わざわざ県内に宿泊することはない。ゲストはわが家に泊める。「赤毛のアン」ゆかりのペンションなど、特別泊まりたいホテルがあるなら、別だが。

  ただ、こうした5割お得な宿泊券は全国の観光地・リゾート地向けに発行されているのだろう。犬OKの宿があれば、私も行ってみたい気はする。ジャッキー、君はどうだ?温泉に浸かり、おいしい魚を食べれば、リフレッシュするというものだ。なに、まだ魚なるものは食べたことがない?肉がいい!


  

    山田風太郎氏の創作ノートが死後発見され『人間風眼帖(昭和21年ー昭和49年)』(2010)として神戸新聞総合出版センターから発行された。このうち半分は「太平洋戦争風眼帖」と言う、昭和19年から27年まで公刊された日記からの抜書きであるが、それ以降は未発表である。徹底的に考えた稀有の日本人の一人、山田の断片は注目に値する。
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 例えば、戦争責任。ベストテンを上げているが、第一位は天皇。ただ天皇個人は別である。「現天皇はその心に「悪」がないこと、つまり純粋の善人であるということにおいて日本一であろう。ひょっとすると世界一かもしれない。しかし、これが戦争に至るまで、また戦争に於いて最大の美徳どうかはであったか甚だ疑問である。(26・9・14)」(P11)とした上で・・、

 「・・・しかし最大の無責任の典型は天皇であろう。あれだけの大敗戦、あれだけの大犠牲を現実のものとしながら、ついに退任しないということは、色々理由があるだろうが、それはすべて本人およびその周囲の勝手な理由であって、とうとうけろりかんと「居直って」しまったことは、戦後の日本人の無責任を確立した(36・2・2)」 P21

 「16日、天皇と外人記者団との会見。「戦争責任をどう思うか」との問いに「私は立憲君主として戦時中そのように行動した。私は私の役割りについて種々論評のあることは知っているが、私も本当に知らなかったことが多いのです」 完全なる逃げ口上なり。死んだ兵士らは哭くだろう。例えその通りであっても支配者ないし責任者としては永遠に口にしてはならぬことがある。(46・11・17)」 P80 

  天皇退位論は、山田でなくても保守層からも出ていた。だが、アメリカは今後の占領をスムースに実行するには天皇が欠かせないと判断。東京裁判では訴追しなかった。この東京裁判についても山田は本質を捉えた一節を残している。 

 「東京裁判はいうまでもなく八百長裁判であるが、しかし公平に見てやはりアングロ・サクソンの方が日本人より度量が大である。もしこの逆であったなら、日本は到底裁判を開かず、いわんやトル―マンやニミッツ
・・などのために、東京裁判に於ける米人弁護士のごとく奮闘する日本人弁護士は現われなかっただろう(22・9・6)」 P10

 「東京裁判に於いて処刑されたる将軍ら、日本人の眼よりすれば同情に値するも、彼らにはたしかに日本国民に対し責任あるを以て日本人としても裁かざるべからず。かく考えれば、日本人の手によりて彼らを裁くよりは米国の手によりて極刑に処せられた方が、彼らにとりては満足ならん、かつまた永き眼にてみれば日本にとりても可なるべし。何となれば、アメリカによりてわれらが将軍絞首刑に処せられたりという歴史的事実は、惨として全日本人の胸に刻せられ、永遠に伝わればなり。(23・11・4)」 P11

  敗戦後の極東軍事裁判(東京裁判)が勝者の裁判であり、八百長裁判と認めながらも結果を受け入れる山田。だが、訴追を免れた昭和天皇は退位もされず無責任体制が続いた日本。東京裁判と憲法を認めない歴史観の持ち主は脈々と生き続け、70年後の代表者・安倍首相と仲間の勝利へとつながっていく。

  「天皇、広島に行幸。テレビで見ていると、なお合掌する国民あり。戦中と戦後と、余の天皇観ほど変わったものはない。今秋のヨーロッパ旅行ですら釈然としない。その前にガダルガナルやサイパンやインパールや沖縄を廻られるべきだ。-若し上陸できないのなら、海上からでもーとさえ余は考えていた。しかるに、右のごときテレビを見ていると眼に涙が浮かんでくるのはそもそも何ぞや。(46・4・13)」 P73
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 今年、当時の皇太子・現在の天皇が4月、ペリリュー島を訪れた。昭和
天皇が果たせなかった慰霊の旅を続けておられたのだろうか。むしろ現天皇は、侵略戦争であったことをはっきり認識しておられるのではと推測する。

 70年経っても、侵略戦争を認識できない、あるいは認めたくない歴史観が戦後脈々続いてきたのは、なぜかを私たちは考えるべきだろう。個人的には好きでない中国とも、国家として仲よくしていかなければならない。これからもあいまいなダブルイメージの声明で、反日キャンペーンに利用されるような状況はとっくに卒業したいのだが・・。



   今日お昼、生まれて初めて救急車に乗った。いや乗せられた。場所は甲府市にある小瀬テニスコート。私は、午前中県選手権の60才以上男子シングルスを2試合戦った後、正面スタンドの一番上で他の選手の試合をみていた。急に気分が悪くなった。盛んにあくびがでた。突然意識がなくなり、下のスタンドに倒れ込んだのだ。

  倒れた時、無意識に手でかばったのだろう。左手が少しすりむけていた。意識はスタンドにぶつかった時、戻った。役員のKさんや他の選手は「熱中症」だという。私を倒れたスタンドに寝かせ、両脇や鼠径部を冷やすと同時に私は大丈夫というのに「救急車」を呼んだ。帰路の1時間かかる車の運転が心配だから、点滴を受けてから帰れ、と言う。

 東部救急隊の車は10分位で駐車場に乗りつけ、私は4人の隊員に担架で運ばれた。車内では血圧などを測り、伝えてあった名前などの漢字を聞かれた程度で10分も経たずに、甲府市立病院に到着した。一人の医師と多くの看護師さんが待ち受けていた。

  ここでも血圧を測ると同時に心電図を計測した。心臓に血液が行っていない可能性を考えたそうだ。後は傷の手当て。すりむけた個所に砂がついているので、自分で洗ってくれと言う。この後、バンドエイドを貼ってくれた。点滴はどうでしょうか、と私が聞くと、自分で水分と食事をしてくださいと医師。この間10分くらいで終了。腑に落ちないまま、会計に行く。
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  その場で3790円支払った。いい値段だなと帰宅してから「診療明細書」を見た。初診料(282点)、手術料(850点)、検査料(130点)とあった。救急車料という項目はないのだ。ただ「手術料」とは?「創傷処理<筋肉、臓器に達しないもの(長径5cm以上10cm未満)>」と書いてある。バンドエイド3,4枚貼っただけでナ、ナント850点、8500円!
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  救急車に乗るという貴重な体験はできたが、市立病院の治療に3790円。病院内のファミリーマートで飲み物やおにぎり357円。病院から、私の車がある小瀬コートまでのタクシー代730円。結局5千円近くのモノ入りだったことになる。コートに戻った時、まだプレーしているみなさんに報告とお礼を言ったが、やはり脱水症状を伴った熱中症だったのか、私の睡眠不足も手伝ったのか、別の原因だったのかはっきりしない。

 帰りは1時半から1時間かかったが、途中からアクセルを踏む右足が
攣ってきた。なんとかごまかしてわが家に着いた。それから1時間は右足が攣りっぱなし。今はこっちの方が心配だ。さて現在の時刻は5時前、予報していた雨がない。

 6時半から夏休みナイタ―の最後の日。錦織圭選手に憧れて今春入部してきた子どもと母親を相手に、球出しだ。どうせ雨がふるから中止と思っていたが、青空がのぞいている。昨日作ったカレーを食べて出かけるとするか。

 最後に「災害デジタル放送」が書いているサンルームに聞こえて来た。
「××で午前6時ごろ、月の輪クマが見つかった」という。××という地名は残念ながら聞こえなかった。明日朝の散歩は注意しよう。

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