今朝は3時半に目が覚めたので、起きることにした。5時間は寝ているはず。PCに向かって、「プロ野球ナビ」を開いた。前夜の8時15分ごろ「ナビ」の西武・広島戦を覗くと2対2、6回の表でちょうど金子侑二選手の打順だった。「一球速報」を見ていると、勝ち越しタイムリーヒットを放った。
これで3対2、このままいけば金子選手がヒーローである。だが、このまま終わるわけがない。私の中では「インケツの金子」である。10時前に「NHK9時」のスポーツニュースをベッドでみると案の定、7回裏に広島選手に逆転2ランホームランを打たれていた。金子選手のヒーローインタビューはなくなった。
ただ、打順はもう1回廻ってくる。1点差のままだと最近の金子選手なら再び同点ヒットなどを打つかもしれない、と期待を抱いた。まだ10時になっても試合が終わらないスポーツニュースを見ながら、寝ることにした。報ステを見たいと思ったが、刑事ドラマを放映していた。
さて、今朝の「プロ野球ナビ」。7対8と広島のサヨナラ勝ちとでていてびっくりする。7回終わって3対4だったのにと思いながら詳しくみると、8回にメヒア選手が同店ホームラン。延長戦に入り10回表に西武は2死満塁から秋山選手が3塁打を放ち7対4と再逆転していた。
10回表、5打席目の金子選手は四球を選び、ホームを踏んでいた。10回裏からは打順の8番に武隈投手が入り、ベンチに引っ込んだ。その裏に武隈投手が打たれ、広島のサヨナラ勝となっていたのだ。すごい試合だった。私は広島のフアンだった時期もあり、今でも好きなチーム。お互い頑張ったと思う。
金子選手の「インケツ」の話に戻ろう。今シーズンは極端な不振で今も1割台(0,195)。レギュラー外野手で2割を切るなんて聞いたことがない。私もいつか2軍に落ちるのだろうと思っていた。5月19日土曜日の前の4試合はスタメンを外れ、替わった木村選手が派手な活躍をしていた。
今週火曜日からセパ交流戦が始まった。セリーグ主催試合はDH制がとれない。攻撃的なオーダーを組む。彼は1軍に残ってもスタメンはないと思った。ところが5月19日土曜日、先発に起用され初ホームランを含む3安打4打点と活躍した。
一時はヒーローのはずだったが、試合は結局負けた。おまけにこれを伝える土曜日には報ステもニュース9もない。日曜朝、PCを開いて「ナビ」で私は知った。それまでテレビ中継もしばらくみなかったが、彼の先発での活躍を知り、日曜日の午後、BS朝日西武戦中継をみることにした。
するとうまいヒットを1本打ったが、何回だったか1,2塁のピンチで打球がライトにとんだ。このときライトを守っていた彼は、打球をハンブルした。一旦3塁に止まっていたランナーはこれを見てホームに突入。今年最初のエラー。しかもタイムリーエラー。
たまにある全国中継で、復活したかに見える彼の雄姿をみせる折角のチャンスにタイムリーエラーである。インケツぶりを発揮した。これでセパ交流戦に出場は無理だろうとまたも私は落胆した。だが、たまたま辻監督のある談話をネットで目にした。
どこかの記者が打撃不振の彼をなぜ先発から外さないのかと監督に質問したのだろう。そのとき監督は「守備と走塁でチームに貢献している。彼はチームに必要なレギュラーだ」と語っていたのだ。金子は辻野球に必要な選手だと認められていたのだ。
辻野球は打てなくても、走って勝つ。守り勝つというスタイルだ。事実、20日の試合で、セカンドエラーで出塁した彼は2盗3盗、キャッチャーがボールをはじいた瞬間、ホームに巣張り込みセーフ。ヒット1本無くても1点取れた。昨年就任した監督は、金子選手が怪我で出遅れたこともあり、木村選手を重用していたが、しっかり金子選手を見ていてくれたのだ。
セパ交流戦の初日火曜日、広島戦でも逆転3塁打を含む4打点、しかも勝ち試合だからヒーローのはずだった。ところが地方試合だったためか、「ナビ」の動画シーンはなし。テレビのスポーツニュースも、同じ西武・山川選手のホームランと3打点を取り上げていた。今年おそらく初めてのヒーローインタビューを私は見ることができなかった。
翌日、昨日の朝日新聞スポーツ欄を見ると阪神・鳥谷選手の連続試合が途切れた記事が大きな紙面を割いていて、西武戦の戦評記事すらなかった。金子選手の活躍があると、チームは逆転されたり負けるというジンクス、彼のインケツ振りはフアンも感じているのかもしれない。球場で彼のペナントを手にしているフアンは、中継映像を見る限り少ない。
現在1割9分4厘。今日、広島戦最後の試合でマルチヒットで2割を超す。辻野球に欠かせない彼は、「インケツの金子」のイメージをこれからの活躍で払拭してほしい。昨日の7対4の10回裏、増田投手を投入しなかったのは少し解せないが、辻監督は信念に従って今後も邁進してほしい。金子選手よ、監督の期待に応えてくれ。
昨日は白いトルコ桔梗を10本買って供えた(店員さんは4,5本の方が花が映えるとのことだったが)。棺に白い花をという遺言を十分にかなえてやれなかった。花屋さんにもなかった。トルコ桔梗の存在を知ったのは、それ以降だった。せめてもの償いかもしれない。