白州の杜からブログ

本とコーヒーと犬との生活

2021年01月

    どうしてこの作品が「ハヤカワ・ポケット・ミステリー」に取り上げられたのだろうか、と一読して感想をもった。アフリカ生まれのミステリー傑作という触れ込みの『マイ・シスター、シリアルキラ―』(オインカン・ブレイスウェイト 2021)。英米や日本のミステリーと比べると、文章が「スカスカ」なのである。きめ細かい濃厚な心理描写も少ない。ハラハラする展開もない。だから紙数も極端に少ない。
DSCN6738

  アフリカ・ナイジェリアの最大都市ラゴスが舞台のある姉妹の物語。美しい妹は常に男にちやほやされるが、現在だけを生きている。優秀な看護師である姉はそんな妹を懸命にカバーする。冒頭、妹は恋人をナイフで刺し殺し、後始末を姉に依頼する。姉は死体を海に捨てる。妹は刺殺した男は3人目だという。姉はなぜ妹のために危ない行動をとるのか。姉妹の絆と葛藤とがテーマで、ミステリーというよりも純文学に近い素材。

  著者はラゴス生まれで幼いころイギリスにわたった黒人女性(英米文化を身につけている)。短編小説や詩を発表していたが、あるとき軽い物語を書きたくなってこの小説を発表した。この小説が英米のいくつかの賞を取り、「アフリカミステリー」として伝統ある「ハヤカワ・ポケット」に収録されたと推測する。ナイジェリアの裕福な家庭の一員である主人公の生活は現代アフリカの文化・風俗を知りたい方には参考になると思うが・・。

  最初にページ数が少ない(191ページ)と書いたが、これこそ私が富士見図書館から借りた理由だった。先週火曜日、泌尿器科に行ったあと、図書館に寄った。新刊コーナーに珍しくこのポケットミステリーと分厚いミステリーがあった。読まなければいけない本があったので、借りるなら短い新刊をとこの本を借りた。ところが、もう一つの「新刊コーナー」(寄贈本など)で、警察小説があった。『P分署捜査班 集結』(マウリツィオ・デ・ジョバンニ 2020 創元推理文庫)である。私が読みたいミステリー、これも借りてしまった。
DSCN6737

  『87分署』(エド・マクベイン)を意識したイタリア・ミステリーで、めっちゃ面白い。一気に読んだ。すでにシリーズ化されベストセラーになっていて『集結』は第一作にあたる。イタリアモノと言えば、先日、女好きな副警察長のキャラで読ませる作品を読んだばかりだ。こちらはイタリア第三の都市ベニスが舞台で、不祥事で廃止されそうな分署が新たに各分署の鼻つまみ刑事を寄せ集めて再起を図る群像物語。

  分署は7人の刑事で構成される。3人は生え抜きで4人はトレード組。それぞれが個性的な人物なのだが、ロヤコーノ警部が中心となる。彼は離婚者で女性の機微に疎く、女検事とよく行くレストランの女主人に思われるがピンときていない。母親と暮らす娘に弱い父親でもある。事件の解決とは別に二人の恋のさや当ても第2作以降、新たな展開を予想される。イタリアミステリーには女が欠かせない?のだ。

  というわけで、久しぶりに濃厚なミステリーを読むことができた。才女が書き散らした「薄い」文学作品でなく、やっぱりミステリーはこうでなくっちゃー。2作目はもう出ているのかな。早く読んでみたい。ところでなんで今イタリアや北欧ミステリーなんだ。最近借りた本はこれが多い。富士見図書館に「寄贈」する別荘の方の好みなのか、それとも出版界の事情なのだろうか。
 DSCN6734
 
  今朝はこれからテニス部定期練習に今年初めての参加。以前滑った際、左足首をひねったがまだ少し違和感を感じる。3,4日前からは風呂にも左足を浸けた。激しく動いても大丈夫だと思うが、3時間もある。無理をしないで動こう。

     久しぶりに庭回りをする。春の息吹を感じさせるものはまだ少ない。中庭の梅のつぼみもまだまだ小さい。一坪菜園をみると採り損ねたトウガラシの赤い実が数本残っていた。探していたフキノトウなどはかけらも見られない。春はまだ遠い感じ。
DSCN6726

  それでも少し遅いのだが、アケビを切った。サンルーム横のテラス天井に這わせたアケビ2本を2日間掛けて取り除いた。テラスを作る前、庭には自生のアケビが何本も伸びていた。移住して間がないころ、このアケビを伸ばしてテラス天井に這わそうと考え実行した。1本ではなく2本伸ばし、ここ7,8年はそれなりに伸び、3年前には大きなアケビが5,6本成った。子供時代を思い出して2個割れた皮から中身を取り出し食べてみた。おいしくは感じられなかったが。
DSCN6702

  それ以来実は成らず、トレリスの外にも伸びるようになった。肝心の天井下のネットには思ったように伸びることが少なかった。昨年、外にはみ出したアケビのツルから実が一つ成ったが、赤くならないうちに黒く腐ってしまったこともある。こうした思い出のあるアケビだがようやく切る気になり、脚立に乗って2本伸びたツルを切り出した。
DSCN6730

  随分すっきりしたが、新しく考えた「グリーンテラス」計画に沿ってトレリスには2、3年前からはツルバラやクレマチスを増やしている。それが今や天井にも伸びてきている。これは切らないように注意した。天井に伸びたクレマチスは葉も枝も枯れていたが、念のため切らずに置いた。そのため、アケビ2本を根元から切っても、すっきりしたとは言えない。
DSCN6727

  テラスの一角にある地面には、2年前、アケビに変わるツルとしてブドウの藤稔の苗木を植えた。1年目は横から葉が咲いてきたが、昨年はツルの伸びなくなった。このままの状態でもよいが、もし今年大きく成長するようだったら、このツルを天井に這わしてもよいと考えている。もっとも日当たりが午前中だけで、実が成るところまでは無理だろうと思う。もし伸びたら天井のネットに這わしたい。そしておいしい藤稔の甘い粒も・・。
  
DSCN6731
  
  屋根の上に伸びていたツルバラは溜まっていた落ち葉などを掃いたので、前に垂れ下がってきた。伸び放題のツルバラをどう切っていったらよいかわからないが。クレマチスも含めて、別荘の庭をバラ園にしているKさんにもう一度育成方法を聴いてみよう。2年前にいただいたクレマチスーセンニンソウは横に旺盛に伸びてきてくれたが、少し弱ってきたようにみえる。枯らせるわけにいかない。グリーンテラスを中心とする「ツル園」の始まりはこれからだ。
DSCN6728

  西側デッキのひもが切れていたシェードは張りなおした。昨年みたいにパリッと張ることはできなかった。一か所、フックを掛けるところが裂け始めていたので無理はできない。緩むと雨や雪が溜まる。朝晩冷え込むとそれが氷となる。長く解けないでのでそのうち重さに耐えきれずに紐が切れたり、一部の生地が裂けたりする。雪や風に備えてフックを外そうとしたこともあるが、簡単には外せない。このまま2月は雪が降らないでほしい、と願うが、どんなものだろう。  
 

    「株主買物優待券」が贈られてきた。差出人は千葉県に住むAさん、亡きツレアイの親友で入院中は長野まで来てくれた。1週間前1年ぶりに電話があり、ホームセンター「くろがねや」株主買物券があるので使ってほしいというものだった。場所を探したら家の近くにないし、山梨・韮崎に見つけたので私を思い出したそうだ。それが届いた。
DSCN6706

  500円券が8枚入っていた。予想以上に多かった。もっと少なければお返しは考えないが、何かお礼をしたい金額だ。だが、例えば近くの金精軒で和菓子を買って送ると送料が1000円前後掛かる。これではもらった意味がなく、向こうも恐縮するだろう。何をお返しにしたらよいか悩む。そうだ本ならば、アマゾンで購入して宛先を向こうにすれば送料も300円ちょっとで済む。半返しにも近い。ただどんな本が喜ばれるか難しい。

  Aさんは生活力があるしっかりした女性で、かつて「ネットのアンケートに答えなさい。いろんな特典がついてくるのよ」とツレアイに勧めていた。ツレアイも実践していたようだ。株の情報も交換していたと思う。「くろがねや」は持ち株会社「DCMホールディングス」としてほかの企業も買収し大きく成長している。今回の「優待券」はAさんの目が正確なことを明かしているのだろう。
DSCN6707

  封筒の中には「株主優待のご案内」という切り抜きも同封されていた。どういう意味だろうか。4000円と言う項目はないが、少なくとも保有が1000株以上であることは間違いない。たいしてもっていないのよというメッセージなのかどうか株売買に疎い私には判断しかねる。優待券の有効期限が昨年の6月1日からとなっているので、一部は既に使っているのだろうか。くろがねやの店舗情報をみると、東京・神奈川・山梨に限られ千葉県内にはないので、それはないことがわかる。

  おいおいせっかくいただいた優待券をいろいろ詮索してどうする。ありがたく使わせてもらえ。韮崎店も大きくて品数が豊富だが、いつも行く須玉店が便利。ジャッキーのドッグフード、歯磨き、おやつのジャーキーにお金がかかる。これに使わせてもらおう。Aさん、ありがとう。贈る本は写真がいっぱいの献立料理集はどうかな。巣ごもりで娘さんの「おさんどん」にこき使われていると話されてもいたから、参考になるのでは。メッセージもなくいきなりアマゾンから本が届いたらびっくりされるだろうなあ。
DSCN6705

  昨日は昼前から雪が降り出し、積もりだした。大雪になるかと心配したがやがてみぞれが混じるようになり、積もることはなかった。外は明るいと言えないがすっかり晴れているようだ。今朝は5時に起きてサンルームに入りPCに向かったが、外はうす暗かった。夜が短くなってきたことを感じる。完全に明るくなっていないので、ジャッキーはまだ起きてこないようだ。

*スタンドの灯りを消したら、明け始めた外の景色が浮かび上がった。昨日より少し雪は積もっている。ジャッキーもすでに起きていてリビングで待っていた。
 

 夜中に目が覚めた。外が少し薄明るい。夜が短くなったと騙されてはいけない。この薄明かりは月光のせいだろう。昨夜の7時ごろだったか、東の空に満月が輝いていた。しばらく経ってトイレに行った。時計を見ると3時過ぎ。今から起きるのもなんだ、もう少しベッドにいることにした。さすがに熟睡睡眠が短かったのだろう、しばらくして寝入った。そして鮮明な夢を見た。

  私はロケをしていた。車が走るシーン。途中で、ある人物のインタビューを頼まれた。なんでも子どもたちに何か(内容は忘れた)を教えている男性だという。その人物の家に行って、まず、お会いする。次にどこでインタビューするか考える。その家には35ミリフィルムカメラがあり、16ミリもあるので驚いた。こちらの撮影は35ミリフイルムカメラで、人物には16ミリカメラをバックに座ってもらうことにした・・・。
DSCN6695

  夢はすぐにメモしないと忘れてしまう。昔の演出仕事に関係する夢はなんとか思い出したが、その次に見た夢が今思い起こせない。確か戦争に絡んだことをかすかに覚えているからだ。その夢から、今、私が久しぶりに映像化しようとしていた作品を思い出していた。朗読作品として書き上演した『作家たちの12月8日』。当時の大東亜戦争が勃発した昭和16年12月8日、日本の小説家たちはどんな感想を抱いたか、日記、エッセイ、小説などを抜粋したもの。

  大東亜戦争は華々しい勝利の報道で今も、12月8日は何の日か覚えている人も多い。メディアの回顧録もハワイ・真珠湾攻撃シーンを繰り返しているので初めて戦争を起こしたような印象を与えている。私が書いた初稿は、当時、日中戦争が膠着した時代であったことを強調した。戦死者も増え、物資も不足し、国民総動員体制も確立されていた。ただ、戦争は遠い中国大陸で行われ他人事みたいな印象も国内にあったのでは、それに対しての別の見方を提供した。

 近現代史を勉強するにつけ、12月8日に関してもう一つ別の視点が必要になると思えた。作家たちは書くことが仕事だったので、いろんなものが残された。例えばチャタレイ婦人裁判でのちに有名になる作家・伊藤整は英米文化へのコンプレックスを抱えていたが、12月8日の英米に対する戦争開始は日本を中心とするアジ東洋文化の反撃とすぐに新聞に書いた。だが、多くの国民はどう受け止めたのだろうか。

  伊藤整は日記で街頭の民衆が「暗雲が払われた」「興奮と同時にアメリカに勝てるかと言う不安ものぞいていた」と記している。膠着状態の日中戦争で生活が苦しくなってきているのに、英米戦争も辞さぬというメディアの勇ましい報道の中でどう考えていたのだろうか。特に、南仏進駐はアメリカの怒りを買った。そこから開戦の火ぶたが切られるのは必至だった。限られた情報の中で国民はどう感じていたのだろうか・・。

  このことを調べて、『作家たちの12月8日』を書き加えたくなった。南仏進駐以降の新聞報道は欠かせない。紙面を登場させるだけで当時の雰囲気が伝わる。ところが昭和16年の新聞縮刷版もマイクロフィイルムも県内の公立図書館にないことがわかった。わずかに『毎日ニュース事典』があるのみ。これは新聞記事をテーマごとに分類したもので、当時の生き生きした状況が伝わらない。

  というわけで改稿は現在とん挫したまま。ただ、今朝のウトウトで見た夢が、このささやかな試みの事を再確認させてくれた。最近は4時過ぎまで寝ていることが多かったので5時には起きてブログを書いたり、本を読んでいたりした。このウトウトでトータル7時間は寝ることができたかもしれない。朝のウトウトは大歓迎だ。
DSCN6698

  今朝は霜が降りていた。車のフロントグラスは真っ白だった。これから天気は悪くなるそうだ。3日前の大雪ならぬ大雨で西側デッキのシェードに水が溜まり、紐が何か所か切れて垂れ下がっている。雨が降らないうちに直そう。

  
 

   「○味○○○」。今年の「漢字抜け熟語」のひとつだった。なんとか、ほかの熟語から「○味地黄丸」までわかった。多分、漢方薬の一つだろうという記憶があった。ただ最初の「○」がわからなかった。先週だと思うが新聞広告で「八味地黄丸」の大きな文字を見つけた。体を温める生薬、つまり頻尿に聞く漢方薬のことだった。今、通いだした自分の事で正解できなかったのは残念だった(その広告も探したが見当たらない)。

  昨日は泌尿器科の診療予約日。日曜の事だが、息子から電話があった。車内に富士見高原病院の診察券が落ちていたという。土曜に彼の車に乗って長野のスシローに行ったが、途中でマスクが必要なことに気づいた。いつも自分の車に置いてある。しまったと思ったが、ウエストポーチにも新しいマスクを入れておいたことを思い出した。このマスクをとりだすとき、診察券を落としてしまったのだろう。

  月曜には、診察に必要なものを点検した。後期高齢者保健証はポーチにあった。予約票もあった。12月29日の泌尿器科、2月の眼科、3月の神経内科の診察日が印字されている。ところが1月26日の泌尿器科が書かれていない。つまり古い予約票だ。暮れにもらった最新の票をもっていない。あわてて探してもみつからなかった。仕方がない。自分で記入した。別に問題はないはずだ。
DSCN6691

  予約時間は9時。8時45分には受付に到着した。珍しく男性職員のブースにあたった。診察券を失くしたというと発行しますか、と聞かれすぐに発行してもらえた。患者が書いた予約票も問題なかった。というわけですんなり受付表をもらった。受付番号をみると7番だった。早くからきている患者さんが多いんだな、泌尿器科は予約を多くいれるんだなあ・・。

  忘れていたが、ここではすぐに採尿があった。事前にトイレに行っていなかったが、尿意はなかった。渡されたカップを当てると、何とか四分の一ぐらいは出た。これで問題はないだろう。この後廊下で待っていたが、呼ばれたのは意外と早く9時20分ごろだった。診察室を出たのは、5分後だろう。予約患者を多くとるのは私みたいな患者が多いためだろうか。

  「薬の効果はどうですか」「ハイ、すぐに効果が表れてびっくりです。特に夜間目覚めてもトイレに行くことは少なくなり、トイレが行きたいから目覚めた例は極端に減りました」と私。薬は続けましょうと2か月間の薬「ベタニス」と「ハルナールD」を処方していただいた。朝食後服用だが、忘れがちなのが問題。ときどき昼食後となった。これは問題ないか聞こうと思ったが、忘れてしまった。
DSCN6690

  精算が終わったときちょうど薬ができたという私の番号がパネルに表示された。精算は少し待ったが、薬を待つことはなかった。出てきたのは10時20分前。この日は第4火曜日、テンホウの餃子半額デー。4人前は無理でも3人前を購入しようと楽しみにしていたが、開店まで待てない。あきらめて弁当を買うことにした。わが家に戻ると、ジャッキーの姿を探した。外に出していたが、家出はなかったようだ。
 

このページのトップヘ