どうしてこの作品が「ハヤカワ・ポケット・ミステリー」に取り上げられたのだろうか、と一読して感想をもった。アフリカ生まれのミステリー傑作という触れ込みの『マイ・シスター、シリアルキラ―』(オインカン・ブレイスウェイト 2021)。英米や日本のミステリーと比べると、文章が「スカスカ」なのである。きめ細かい濃厚な心理描写も少ない。ハラハラする展開もない。だから紙数も極端に少ない。
アフリカ・ナイジェリアの最大都市ラゴスが舞台のある姉妹の物語。美しい妹は常に男にちやほやされるが、現在だけを生きている。優秀な看護師である姉はそんな妹を懸命にカバーする。冒頭、妹は恋人をナイフで刺し殺し、後始末を姉に依頼する。姉は死体を海に捨てる。妹は刺殺した男は3人目だという。姉はなぜ妹のために危ない行動をとるのか。姉妹の絆と葛藤とがテーマで、ミステリーというよりも純文学に近い素材。
著者はラゴス生まれで幼いころイギリスにわたった黒人女性(英米文化を身につけている)。短編小説や詩を発表していたが、あるとき軽い物語を書きたくなってこの小説を発表した。この小説が英米のいくつかの賞を取り、「アフリカミステリー」として伝統ある「ハヤカワ・ポケット」に収録されたと推測する。ナイジェリアの裕福な家庭の一員である主人公の生活は現代アフリカの文化・風俗を知りたい方には参考になると思うが・・。
最初にページ数が少ない(191ページ)と書いたが、これこそ私が富士見図書館から借りた理由だった。先週火曜日、泌尿器科に行ったあと、図書館に寄った。新刊コーナーに珍しくこのポケットミステリーと分厚いミステリーがあった。読まなければいけない本があったので、借りるなら短い新刊をとこの本を借りた。ところが、もう一つの「新刊コーナー」(寄贈本など)で、警察小説があった。『P分署捜査班 集結』(マウリツィオ・デ・ジョバンニ 2020 創元推理文庫)である。私が読みたいミステリー、これも借りてしまった。
『87分署』(エド・マクベイン)を意識したイタリア・ミステリーで、めっちゃ面白い。一気に読んだ。すでにシリーズ化されベストセラーになっていて『集結』は第一作にあたる。イタリアモノと言えば、先日、女好きな副警察長のキャラで読ませる作品を読んだばかりだ。こちらはイタリア第三の都市ベニスが舞台で、不祥事で廃止されそうな分署が新たに各分署の鼻つまみ刑事を寄せ集めて再起を図る群像物語。
分署は7人の刑事で構成される。3人は生え抜きで4人はトレード組。それぞれが個性的な人物なのだが、ロヤコーノ警部が中心となる。彼は離婚者で女性の機微に疎く、女検事とよく行くレストランの女主人に思われるがピンときていない。母親と暮らす娘に弱い父親でもある。事件の解決とは別に二人の恋のさや当ても第2作以降、新たな展開を予想される。イタリアミステリーには女が欠かせない?のだ。
というわけで、久しぶりに濃厚なミステリーを読むことができた。才女が書き散らした「薄い」文学作品でなく、やっぱりミステリーはこうでなくっちゃー。2作目はもう出ているのかな。早く読んでみたい。ところでなんで今イタリアや北欧ミステリーなんだ。最近借りた本はこれが多い。富士見図書館に「寄贈」する別荘の方の好みなのか、それとも出版界の事情なのだろうか。
今朝はこれからテニス部定期練習に今年初めての参加。以前滑った際、左足首をひねったがまだ少し違和感を感じる。3,4日前からは風呂にも左足を浸けた。激しく動いても大丈夫だと思うが、3時間もある。無理をしないで動こう。
アフリカ・ナイジェリアの最大都市ラゴスが舞台のある姉妹の物語。美しい妹は常に男にちやほやされるが、現在だけを生きている。優秀な看護師である姉はそんな妹を懸命にカバーする。冒頭、妹は恋人をナイフで刺し殺し、後始末を姉に依頼する。姉は死体を海に捨てる。妹は刺殺した男は3人目だという。姉はなぜ妹のために危ない行動をとるのか。姉妹の絆と葛藤とがテーマで、ミステリーというよりも純文学に近い素材。
著者はラゴス生まれで幼いころイギリスにわたった黒人女性(英米文化を身につけている)。短編小説や詩を発表していたが、あるとき軽い物語を書きたくなってこの小説を発表した。この小説が英米のいくつかの賞を取り、「アフリカミステリー」として伝統ある「ハヤカワ・ポケット」に収録されたと推測する。ナイジェリアの裕福な家庭の一員である主人公の生活は現代アフリカの文化・風俗を知りたい方には参考になると思うが・・。
最初にページ数が少ない(191ページ)と書いたが、これこそ私が富士見図書館から借りた理由だった。先週火曜日、泌尿器科に行ったあと、図書館に寄った。新刊コーナーに珍しくこのポケットミステリーと分厚いミステリーがあった。読まなければいけない本があったので、借りるなら短い新刊をとこの本を借りた。ところが、もう一つの「新刊コーナー」(寄贈本など)で、警察小説があった。『P分署捜査班 集結』(マウリツィオ・デ・ジョバンニ 2020 創元推理文庫)である。私が読みたいミステリー、これも借りてしまった。
『87分署』(エド・マクベイン)を意識したイタリア・ミステリーで、めっちゃ面白い。一気に読んだ。すでにシリーズ化されベストセラーになっていて『集結』は第一作にあたる。イタリアモノと言えば、先日、女好きな副警察長のキャラで読ませる作品を読んだばかりだ。こちらはイタリア第三の都市ベニスが舞台で、不祥事で廃止されそうな分署が新たに各分署の鼻つまみ刑事を寄せ集めて再起を図る群像物語。
分署は7人の刑事で構成される。3人は生え抜きで4人はトレード組。それぞれが個性的な人物なのだが、ロヤコーノ警部が中心となる。彼は離婚者で女性の機微に疎く、女検事とよく行くレストランの女主人に思われるがピンときていない。母親と暮らす娘に弱い父親でもある。事件の解決とは別に二人の恋のさや当ても第2作以降、新たな展開を予想される。イタリアミステリーには女が欠かせない?のだ。
というわけで、久しぶりに濃厚なミステリーを読むことができた。才女が書き散らした「薄い」文学作品でなく、やっぱりミステリーはこうでなくっちゃー。2作目はもう出ているのかな。早く読んでみたい。ところでなんで今イタリアや北欧ミステリーなんだ。最近借りた本はこれが多い。富士見図書館に「寄贈」する別荘の方の好みなのか、それとも出版界の事情なのだろうか。
今朝はこれからテニス部定期練習に今年初めての参加。以前滑った際、左足首をひねったがまだ少し違和感を感じる。3,4日前からは風呂にも左足を浸けた。激しく動いても大丈夫だと思うが、3時間もある。無理をしないで動こう。