白州の杜からブログ

本とコーヒーと犬との生活

カテゴリ: 図書館

 北杜市市議会3月定例会の最終日である昨日は、市立図書館を8館から3館に増やす条例案を否決したそうだ。サンニチには書いていないが、議長を除く18名が反対、1名が賛成と昨日のネットニュースで読んだ。3月13日付の「図書館集約否決の公算」記事は当たっていたことになる。
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 ひとまず8図書館は継続されることになったが、一人を除いて18人の議員が反対というのがどうも腑に落ちない。多くの議員さんは日頃から図書館をよく利用しているの?図書館充実のために図書費を含む図書館費の拡大に努力してきたの?ただ8館が存続するだけで良いの?と言いたくなる。
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 確かに短期間で存続を求める署名が六千筆も集まったという。昨日サンニチに掲載された県内選挙人名簿登録者数で北杜市は39608名というが、簡略化すれば15%も署名したことになる。こうした住民の声が出てきて議員に届いたこともあるだろう。
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 だが、今朝のサンニチを読むと、半年後に迫った市長選挙への思惑があるのではと、推測記事を書いていた。つまり上村現市長が立候補断念に追い込むため、あるいは有力な市長候補への援護射撃の意味があるというのだ。

 現市長は子育て支援拠点の事業費予算が2億円不足と判明したり、合併20周年記念の花火大会事業予算が一般予算から削除された修正されたりと議会と対立が続いている。昨日の議会では、花火大会事業費を市長の権限で「予算専決」しないよう求める付帯決議が可決されている。これも賛成17、反対1名だった。県知事と違い、市長派を作ることに失敗したようだ。

 注目されるのは、付帯決議に一人反対、図書館集約条例に一人賛成された議員。同じ人物と思われる。昨日の傍聴にいかなかったので、お名前はわからないが自分の信念に従って勇気を持って投票されたとおもう。甲府市議会3月定例会でも似たような採決があった。市議会は政府に対して女性差別撤廃への意見書提出を求める請願を可決した。
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 県内議会で同内容の請願が採択されるのは初めてだそうだ。ただ、一人の無所属の議員は「甲府市で国連に通報しなければならないほどの女性差別は行われていない」と反対した、と記事にある。昭和20年12月7日の真珠湾攻撃に対する米議会下院で、ただ一人日本への報復に反対した女性議員を思い出す(もっとも、内容は全く違うだろうが)。

 ところで、2月に発行されたと思われる『議会だより 77号』(12月議会)を読んだ。20名の議員は6会派に分かれているが3会派の3人が代表質問で図書館再編を取り上げていた。これに対する市長や教育長の3館集約による図書館機能の強化について答弁していた。これが気になった。
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 ①電子図書館の導入②自動貸出機の検討③学校図書館との連携の3点を斉藤功文議員(ともにあゆむ会)に答えている。①電子書籍の貸し出しは韮崎図書館などで始まっているが、実績を調査しているだろうか。電子書籍を私もAmazonで購入したが、読みにくい。これからも紙は簡単に無くならないと思う。ニーズがあるか、地域の実情を調査してから立案してほしい。

 ②自動貸出機は合併前の大泉図書館で夜間でも実施していた。これをしばらくして撤去したのはどこの市でしょう。③学校図書館との連携もいうは安く行うは難しい。以前に図書館長にお聞きしたことがあるが、職員はイベントの準備と実施で忙しいと話されていた。余裕もないのだ。学校司書も配置できるのか、も問われる。

 また、司書を3館に集約ともあるが、合併後調べた時、専門職採用としての司書は中央図書館に一人しかいなかった。あとは嘱託採用で、個人的に司書資格を持っている方ばかりだった。専門職で採用しないで、司書集約とはよくいえると感心してしまった。司書資格を持つ嘱託職員ががんばっているのだ(もっともその後、状況は変わっているかもしれないが)。

 今回のように人件費や経費節約、行政改革といった視点ばかりでなく、デジタル時代、高齢化少子化時代における住民本位の図書館像、ネットワーク構築を提案していただきたい。そして図書館はスペースと共に資料、職員が大事。市議会議員の皆さんには、2年前に購入した資料が今だに新刊コーナーに並ぶような状況を見ていただいて、資料費を一桁増やすよう努力していただきたいと思う。切なる願い。

 

 今日のサンニチに、北杜市市議会で討議されているある議案が15日の本会議で否決されそうだという記事があった。ある議案とは、市内8館の図書館のうち5館を「コミュニティ・コモンズ」に変更するというもの。サンニチは市議に取材して条例案は市民の理解を得られていない、時期尚早との考えが多かったとして、否決されるという観測記事だ。
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 昨年8月の提言書で貸出返却などの図書館サービスをつけるとしていたが、具体的な市の提案は先月の共産党市議団のチラシで知った。不確かな内容だった。公民館図書室よりも機能が落ちている感じ。私は、ネット予約した資料がCCで受け取れ返却で来るのか、司書職がいない中ボランティア活動がどこまでできるのかなど判然としなかった。

 15日の本会議は40人まで傍聴できる。この日は一人サーブの日で休んで出かけるつもりだったが、今朝の記事を読んだのでどうしようか。2月27日の文教厚生常任委員会(7名)では、井出議員と斉藤功文議員がこの条例案を取り上げている。国会ならば、ここで採決されるのだが、地方議会は本会議での採決になるらしい。

 新聞記事は委員会の感触のほか、市民団体での署名活動の盛り上がりを感じたからこの観測記事になったと思われる。サンニチさん、記事には自信があるんだね。7、8年前図書館活動を共に行っていた谷さんたちが8館存続を求める署名活動を始め、短期間に6128筆が集まったという。昨日はカラー印刷のチラシを折込で入れている。
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 私が署名を求められるシーンはなかったが、10日の日曜日、テニス部の練習会である部員から「まだ間に合うから」と署名を求められた。①8巻存続と②条例案は拙速すぎるの2点をアピールしていた。私は金曜の本会議までにもう間に合わないと思うが、署名の名前と住所は、ある政党の選挙活動にも活用されるのだろう。それでも署名した。

 今回ネットで調べてみると、議会質疑はHPで報告されていること、本会議は動画がアップされていることがわかった。「議会だより」でも、条例案に対する質問や賛否が掲載されているが、質問のやりとりが短すぎる。HPで確認できるのがありがたい。

 ただ、8館がそのまま残れば良いとしても、図書館に関して肝心なことが議題になっていないと感じている。8町村合併によって北杜市の図書館8館体制が続いたが、歴代市長は当初から「行政改革」「適正化」という財政面からしか提案できなかったように思う。
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 今回も、5館減らした後の3図書館は「機能強化」を謳っている。北杜市図書館の弱点の一つは図書費の少なさ。ある友人は8館全部の図書費を聞いて一桁少ないと驚いていた。合併前の大泉村図書費より、8館全体で少なくなり、毎年減っている。3館集約を前提にした図書費は計上されているはずだが、どれだけ予算が増えているか見てみたい。

 さらにデジタル化時代の図書館像という位置付けも具体的に出ない。将来どのような図書館のスタイルは望ましいのか。私はネットによる貸借でもよいと考えている。市内8館の資料はネットで予約できるが市外の図書館資料はカウンターで申請する。市外の資料もネット一本で予約できればもっと利用は拡大する。難しい課題があるのだろうが、実現してほしい。

 さらにお金がある自治体は大都市と原発がある自治体しかないのはわかっている。少ない予算の優先順位の問題でもある。コミュニティ・コモンズの問題にしても図書館職員ではなく、嘱託職員の位置付けで一人しか置けないと言うのなら、ボランティアをもっと活用すればよいのにと思う。職員の守秘義務が必要なら、講習を受ければ十分だと思う。

 今回の条例案提出問題をきっかけに地域の図書館の望ましい姿を活発に論議できればよいと思う。サントリー出身の上村市長は、八ヶ岳アウトレット跡地に手を挙げた高級ホテルの要望を受けて高さ制限を上げようとした。図書館再編といい、市の姿勢は市民ではなく企業や財政に向いているように見える。
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 昨日午後は突然の降雪にびっくりしたが、今日の陽気でコートの雪も消えたことだろう。午後からのサークルテニスはあるんでしょうね、Mさん。「風が強いし寒いから中止という連絡が入りませんように。

 県立図書館から借りた2冊の資料は「広域返却サービス」で近くの図書館に返却すれば良いのだが、昨日がその返却期限が昨日だった。これに気づいたのは午後5時45分だった。5、6分でライブラリーはくしゅうにはいける。閉館が6時以降であってほしいと願ってジムニーを飛ばした。図書館の灯りはついていた。6時閉館でかろうじて期限内に返却できた。
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 広域返却サービスの対象図書館は、県内で11館と北杜市立8館に限られている。北杜市は行政改革の一環で、従来の図書館は大泉、長坂、須玉の3館に集約される。あとの5館はコミュニテイコモンズという名称になり図書館では無くなる。とすれば近くのライブラリーはくしゅうではこの県立図書館の広域返却サービスが受けられるのはもうあと僅かの期間となる。
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 ではコミュニテイコモンズはどういう概要かはっきりしていなかった。先日入った共産党市議団のチラシでは次のように書かれていた。1月23日の市と市議会との意見交換会で明らかになったもので、①事務員を配置する。②書棚の本は貸し出ししない。③新聞雑誌は置くが新刊本は購入しない。④交流スペース確保のため、10月までに一部分の書棚を整理する。
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 図書館適正配置検討委員会では図書館機能を残すとありましたが、残りの5館は新聞雑誌、一部の図書が置いてある住民交流の場合にしようというのでしょう。残した本棚から本をその場で借りられるのか、ネット予約した本をこのコミュニテイコモンズで受け取ることができるのかはっきりしていません。

 条例案は三月市会にはや上程されるそうです。この条例案の中身を知りたくてネット検索したところ、なんと昨日28日教育委員会2月定例会で検討されています。コミュニテイコモンズ設置条例案と施行規則案です。と言って10本以上の条例案が提出されているから審議ではなく承認に過ぎないでしょう。傍聴可能だったのですが、どなたか行かれたのでしょうか。

 2月20日から始まっている3月定例市議会は3月15日まで開催されますから、今後2週間内で市議会に上程されることになります。できたら10年ぶりで傍聴に出かけたいものです。共産党市議団は反対ですが、「ともにあゆむ会」や「会派しんせい」他の議員さんはどうなのでしょうか。利用者に説明する場も設けず、条例案提出は拙速過ぎることは否めないでしょう。

 以前、笠原十九司氏の講演を聞いた。憲法第9条は幣原喜重郎氏から提案したもので、側近が書いた大平(おおだいら)メモが証拠の一つに挙げられていた。ところが近現代史読書会のテキスト『占領と改革』では、大平氏は幣原首相から「戦争放棄はワシから望んだことにしよう」と聞いたとある(孫引き出典は『戦後検証』上巻)。

 同じ大平メモで証言内容が反対である。GHQが作ろうが、日本の首相の発案であろうがその価値は変わらないのだが、ま、気になる。わが家の本棚には『戦後検証』は、肝心の上巻がなかった。県内では富士吉田図書館にしかない。今リクエストしているところ。

 2月14日水曜日は双葉のブックオフから甲府の平和ミュージアムに行く前に県立図書館に寄った。4時半を回っていた。上巻がここにはないが関連する他の資料があるのではと思ったのだ。2階のカウンターに行くと、若いレファレンス職員は検索してから開架書棚から3冊持ってきてくれた。ホントは専門書を選んで欲しかったのだが・・。

 手にしたことがある3冊を持ってきてくれた。『幣原喜重郎と憲法9条』(笠原十九司)と吉川弘文館の人物叢書と中公新書のの『幣原喜重郎』。笠原氏の本は詳しく読んでいるので、2冊だけ借りることにした。返却は自分が住んでいる近くの図書館でOKというシステムが出来ているが、まだ利用したことはなかった。
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 お願いすると、一旦借りてから申請書を書く必要があり、所定の袋に入れてわたされた。もらった資料をライブラリーはくしゅうに返却する時書類も一緒に提出する仕組み。これで県立図書館は、最初に借りる時だけ甲府に行けば良い。これからも大いに利用したい。
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 早速、該当箇所を読むと、種稲秀司氏の本は大平メモには触れていない。旧憲法改正には消極的だったが、改正が現実味を帯びてから積極的にはなったものの「衆議院議長の挨拶などで社交辞令的に戦争放棄の意味を語っても、国内政治の理念としては高唱していない」(P244)と素っ気ない。
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 『昭和史 戦後編』(半藤一利)では、秘書として働いていた大平さんという女性(大平メモは男性の大平駒槌枢密顧問官)がマッカーサーとの対談で幣原首相が提案したところ、大喜びしてくれたと聞いたという。だが、半藤氏は、マッカーサーを信用していない。後で言い訳できるように幣原提案にしたのではと推測していた(P156〜159)。

 こうしてまだ大平メモについては結果を見ていないが『戦後検証 上』の到着を待ちたい。それはともかく、県立図書館にいた時間は30分とかからなかった。6時まで1時間以上あるが、平和ミュージアムにむかった。ここの講演会では南林さんの最優秀論文のコピー資料をゲットできたことは昨日のブログで書いた通り。

 8時20分に講演会を終えた後山手通りを走り、わが家に戻るまで60分かからなかったただけだった。午後家を出る前にサンルームと玄関前の灯りをつけておいた。ジャッキーはただいまと声をかけても知らん顔。彼女に申し訳なかったが、9時過ぎの晩飯となった。

 以上のように、山梨近代史の会が二月に一度これからあれば夜開催だから、午後に家を出て韮崎図書館、ブックオフ、県立図書館と資料探しに効率よく回れることになった。ゴールデンルートの開拓である。さらに今回水曜開催でミュージアム近くにある県テニス協会事務局には寄れなかったのは残念。事務局は水曜休みなのだ。

 

 昨夜は雨がふり、今朝、道は凍っていた。別荘地入り口に続く坂で滑った。前傾姿勢だったので、そのまましゃがみ込み両手を地面につけた。一昨年12月のように頭から後ろに倒れることはなかった。ラッキーだったが、ジャッキーは飼い主の無様な姿に歩み寄ることはなかったのは同じ。

 10時からはサーブ練習。昨日に続いて強風が吹く。昨日と一転して寒くコートをキャンセルことも考えた。だが、久しぶりのテニス。実際の試合は強風でもおこなわれる。心に鞭打って、ネット際に残る雪を見ながらコートにでる。ボールカゴを忘れ、ニューボール4個で行ったり来たり。不調。

 ところで14日は最短距離で数ヶ所を回り、資料を探す時間をうまくつかえた。白州1時スタートから韮崎図書館、ブックオフ、県立図書館を経て平和ミュージアムに至るコース。午後6時時から平和ミュージアムで講演会があったのだ。山梨近代史の会に加入したので、2月に一回はこの「ゴールデン」コースを辿ることができるゾ。
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 先ず、韮崎図書館。3冊返却してから新刊コーナーを覗いていて、なんと原武史氏の新刊『戦後政治と温泉』を見つけてしまった。後で拾い読みすると、この日の講演「湛山論」に関係した資料だった。鳩山一郎と吉田茂の確執が温泉を舞台に描かれ、鳩山につく湛山は頻繁に登場する。日本の武装化を吐露する湛山の会話もあった。
<源ちゃんの「飛ぶ教室」、3月1日、ハラタケシさんがゲストとあったが・・>
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 館内の歴史コーナーで『戦争と演説』が並んでいた。先日、映画『チャーチル』を見て、有名になったという二つの演説シーンを見て聞いたが、就任演説や「講和か戦争継続か」の演説をもう一度文章で読んでみたいと思った。この資料には、1939年のヒトラーに続いて1940年にあった。

 「・・何年かかろうが、孤立無援になろうが、我々はいま一度、我らが故郷である本土を守り、戦いの嵐を抜け、暴政の脅威を生き延びることが、私は全面的に信じている・・」就任演説か、国民向けのラジオ演説の原稿か私にはわからない。ただ、原稿より、映画の中で訴える演説そのものが聴衆に訴えたことは確か。
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 次に双葉のブックオフへ。数ヶ月ぶりだと思うが必要な史料は全部購入するつもりだった。読みたかった『失敗の本質』があった。半藤一利氏の第1巻『昭和史』を見つけた。この巻は丁度図書館で借りて読み終えたところ。書き込むために購入する。
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 この後で歴史書コーナーで『昭和史 戦後編』を見つけた。『昭和史』はなんと四部作だったのだ。すぐ購入したのはいうまでもない。3巻目の『世界のなかの昭和史』は購入済みなので、残りの第2巻『B面 昭和史』も見つけ次第購入して全4巻全部揃えたい。半藤昭和史は話し言葉で読みやすい。事典代わりにもなる。 
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 そして岩波文庫の『湛山回想』『暗黒日記』『文明論之概略』もゲット。 前者二つは図書館で借りたり、青空文庫でメモしながら読み切ったが、引用するためにも文庫を手に入れたかった。ラストは『学問のすすめ』に続く福沢モノ。遅まきながら基本的文献は読みたい。
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 そのほか、戦争や近現代史を中心に15冊ほど購入。中には『海上自衛隊コレクション 2014』も280円でゲット。政府は先制攻撃に航空母艦が必要だと、コレクションにある軽空母型護衛艦を改装したが、日本の軍事力、戦力、兵器を研究していくためにこうした本が役に立ってくれるだろう。
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 実は韮崎図書館ではもう一冊新刊を借りた。『戦争語彙集』である。これは私の手に余るかもしれない思想書。当面、韮崎で借りた『戦後政治と温泉』を読み終えたら、これに取り掛かりたい。ブックオフで購入した資料はその後の課題に応じて読んでいくことになる。(続く)

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